スローフード国際会議 in モロッコ(2011.6.10)-①

投稿日 2011年06月27日
カテゴリー スローフード運動について, 海外情報

 

 

 

 

 

 

 

スローフード協会国際会議(於 ラバト市 モロッコ)2011年6月11−13日

出席と文責 石田雅芳 佐々木俊弥

スローフード協会は一年に一度、国際ガバナー会議と複数回の国際理事会を開催しています。今年の国際理事会は3月のポッレンツォで行われたものに続いて、今年2回目でガバナー会議と一緒に開催されました。約20カ国から57名の出席。

国際理事会は国際協会のカルロ・ペトリーニ会長、ジョン・カリウキ、ヴァンダナ・シヴァ、アリス・ウオータース副会長をトップとして、会員数の特に多い国から全員で20名ほどが選出されます。国内組織があるところから1名の招聘が決まってから、日本からも1名のポストができました。

この組織は当初ペトリーニ会長の歴史的な側近たちの集まりという雰囲気のものでしたが、より開かれた中央組織を目指してこのような措置がとられました。協会の政策、プロジェクトはまずここで議論されて、国際ガバナー会議で議決をとる方式になっています。

国際ガバナーはそれぞれの国の会員数を考慮して、人数が決定されています(政策的に重要性のある場所など、例外もあり)。

現在日本の協会に割り当てられたポストは2席。この数が各国の投票権の数となります。実質上これが協会の最高決定機関となります。

2名のガバナー枠は、通常1人が国際理事をかねる形で出席することになりますが、今年日本からは石田が国際理事兼ガバナー、佐々木がもう一人のガバナーという形での出席となりました。

現在スローフード協会は、全ヨーロッパで遵守される共通農業政策(PAC)の中で、他のNPOなどと共に、大きな主導権を得ることに成功しました。これはアルカ・プレシディオやテッラ・マードレなどによる具体的な政策を積み上げてきた大きな成果です。

それと同時にヨーロッパの農業政策が圧倒的に影響を与えているアフリカにも、具体的なプロジェクトを推進しながら影響力を与えようとしています。世界の食料政策のあらゆる矛盾が存在するアフリカで、協会は今まで推進してきた生物多様性や地域経済という切り口で、アフリカはむしろ豊かな大地であるというモットーのもとに、地域産物や地域の豊かさを内外に理解させるために、「アフリカに1000の菜園」プロジェクトを推進しようとしています。

6月10日 国際理事会の模様

6月10日は現地時間午後3時より、ラバト市の旧市街メディナにある中世の貴族の邸宅で国際理事会が始まりました。イスラム様式のモザイクタイルが美しい会場は、邸宅の中庭(パティオ)になっており、1階が会場で、2階が昼食会場になっていました。今年はジャパンの新しい顔ぶれを見せるという目的で、石田・佐々木の両名で参加し、佐々木が英語で、石田がイタリア語での対応ということになりました。

国際理事会では3月のミーティングと、メールでの告知で周知されていた話題について話されました。それは4年ごとに行われることが国際議定書で定められている国際大会が、来年に持ち越すということです。これはテッラ・マードレを主幹として協会運動を進めてゆくという国際戦略に合わせたもので、来年行われる10月のテッラ・マードレ、サローネと同時開催で国際大会を行いたいというものでした。

この行事に先立って、テッラ・マードレの地域ミーティングを積み重ねて行くのですが、その中でも2つの重要イベントがあります。それは来年5月を目指した「テッラ・マードレ・ヨーロッパ」と「テッラ・マードレUSA」です。

前者はEU政策の拠点であるブリュッセルで行われるもので、ヨーロッパ主要国27国からの代表でイベントを構成します。後者はUSAの運動を支えている若者や、食コミュニティの力を使いながら、2012年夏を目標にオーガナイズします。

コメント

コメントを受け付けておりません。