番外編・カンヌからのたより

投稿日 2012年05月25日
カテゴリー スローフード運動について, フォーラム, メンバーの近況, 海外情報, 食に関する話題

第65回カンヌ映画祭『ある視点』部門にノミネートされた作品の脚本を書き、現在カンヌに滞在中のスローフードすぎなみTOKYOのメンバーからの便りです。

映画祭開催中のカンヌは人であふれ、まさにお祭り騒ぎです。その喧噪のなか、旧市街から新市街地行く坂の途中でマルシェ(市場)を見つけました。マルシェが開くのは昼過ぎまでだそうです。そこで、午前中に時間を見つけて覗いてみました。すると、まず、皺がたくさん入った奇妙な形のトマトが目に飛び込んできたのです。これは、珍しい!! 売っている人の話では、「カル・デ・ブフェ」、つまり「牛の心臓」という名のトマトだそうです。確かにそう言われれば、なにやら似ているような気もしますが、牛の心臓にはこんなに皺があったかな……?。

地中海に面したカンヌなので魚介類はもちろん、マルシェにはハムやチーズ、オリーブの実やキノコ、果物など暮らしに欠かせない食材がずらりと並んでいます。マルシェは、まさにその土地の「食のテーマパーク」なのだと感じさせられました。ここカンヌでは、工業化された食材に並んで、「おッ、これは何だ!?」と声を上げたくなるようなスローフード的な食材も多く売られているのが特徴です。地中海の陽光と豊かな食材が多くの国から人々を引き寄せ、世界的な映画祭を生んだのかもしれません。なにしろ、映画の人たちには食いしん坊が多いですから……。しかし、残念ながらカンヌにはスローフードの支部(コンビビウム)はないようです。

カンヌは坂の多い町です(↓写真上)。その坂を下りた海岸に、映画祭の会場となる「パレ・デ・フェスティバレ・エ・デ・コングレ」の現代的な建物があります(↓写真中左上)。じつは、この建物の中で行われる映画作品の見本市が、カンヌ映画祭を大きくしました(↓写真中右上)。世界各国の映画制作者と配給会社が作品の上映を取引するのです。そして、有名なレッドカーペットの前では(↓写真中右下)、強い日差しを浴びながら報道陣が汗だくで場所取りをしていました(↓写真中左下)。『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(監督/若松孝二)は、明日(こちらでは25日)の夜がいよいよ公式上映です。ぼくが脚本を書いた映画を、世界は再びどう評価するのか?……は、さておき、昨夜は貝とエビをたらふく食べました(↓写真最下段)。

追記:

「牛の心臓」(トマトです!!)をかじりました。日本の桃太郎のような酸味はなく、フルーツトマト系の甘さもなく、外見とは裏腹にパステル画のような味でした。

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